【キッチン内部へ潜入】結婚式のお料理ができ上がる工程を初公開!~2万円コース編~
こんにちは、萬屋本店の伊藤です。
萬屋本店が2016年にオープンして、6年間が経とうとしていますが、今まで一度もキッチン内部へカメラの潜入はしたことがありませんでした。
キッチン内部や、キッチンスタッフの仕事ぶり、料理工程を皆様に見ていただけたら、より魅力を感じていただき、ゲストの皆様へおもてなしができるのではないかと思い、この度キッチン内部への初潜入を試みました。
これまで私自身も全ての工程を拝見することはなかったのですが、改めてキッチンマネージャーの藤本をはじめ、キッチンの皆さんの料理にかける想いの強さと繊細な仕事ぶりに感動しました。
その様子をご覧いただけていない方や、もう一度見たいという方にお届けできるよう、8月31日に開催したオンラインフェアでキッチン内部への潜入レポーターを務めた私、伊藤がそのときの臨場感と共にブログに綴らせていただきます。
今回ご覧いただくお料理は、ゲストの方々に手厚くおもてなしが出来ないかという要望を受けて誕生した2万円コースです。
2万円コースの全容と開発背景は「カウンターで割烹料理を召し上がっていただく」をご覧ください。
~婚礼料理の実演~
●食材のご紹介
こちらが2万円コースで使う食材です。
左手の箱には、左上から
・山形から直送の山形牛A5ランクのサーロイン
・三浦半島の仲卸から直接仕入れる本鮪の大トロと赤身
・長崎五島列島で獲れた甘鯛
・和歌山県産の鮎
右上に移り
・ハマグリ、オマール海老、アワビと続きます。
右手の箱には
・旬の鎌倉野菜のきゅうり、トランペットズッキーニ、白ゴーヤなどの珍しい野菜に、レモンバーベナー など
旬ごとに日本全国で美味しいものを各地から直送で仕入れ、最良の食材でお作りしていきます。
●アミューズ
例えば、夏の時期は甘みの強いトウモロコシのピューレに、香ばしく焼いたトウモロコシとトリュフの香りをアクセントに加えました。
また、日本の季節を感じていただけるようにと鮎を取り寄せ、一口でつまんでいただけるアミューズをご用意しました。
秋は、カボチャや鮭、冬は鎌倉で収穫される菊芋や鯛・ヒラメ・ブリなどをご用意しています。
季節に応じて食材と調理方法を変え、披露宴開演前の時間を楽しんでいただけたらと思っています。
●前菜
披露宴開宴後、最初にお出しするお料理がこちらの前菜になります。
金沢の九谷焼の工房に伺い、オリジナルで作っていただいたお椀を用いて、旬の食材を楽しんでいただけたらと思っています。
大ぶりのアワビを八方出汁で炊き、食べやすいサイズにカットします。
そこに合わせる野菜は、鎌倉で獲れた鎌倉野菜を。
懇意にしている農家さんには、定期的に畑にお邪魔させていただき、旬のものを味をみて厳選し、婚礼日に一番いい食材を用意していただいています。
そこに、山葵のジュレとカラスミやいくらで塩味を加えています。
●お凌ぎ
三浦半島の仲卸から直接取り寄せた本鮪と、お米を組み合わせて、お寿司をイメージしています。
本鮪の赤身は、タイムとオリーブオイルでマリネにし、大トロは軽めの漬けにし炙りました。
そして、縦状にカットをして、萬屋本店オリジナルのタレを塗り、立体感がでるように盛り付けをします。
オリジナルのタレは、赤ワインビネガー、バルサミコビネガー、蜂蜜、生姜、長ネギ、シナモン、スターアニス、赤ワイン、フォンドボー(仔牛のだし)、フュメドポワソン(魚のだし)で作り、本鮪の旨味を引き出すことを意識しました。
シャリにあたるお米は、1年先まで予約が取れない都内のお寿司屋さんのシャリを研究しました。
そこで行きついたのが酢に丸みがある飯尾醸造の富士酢でした。そちらを使い、引き立て役の新生姜のピクルスやラディッシュ、シブレット、花穂やキャビアを加えました。
●スープ
メインになる甘鯛は、鱗を下にし、多めの油で揚げ焼きをします。身はほんの数十秒だけ火をいれ、身のふっくら感を残しています。
大きなハマグリは、オリーブオイルと白ワインで火を入れます。
ハマグリから出たスープは旨味が凝縮されているため、スープに加えます。
鯛のあらやあさり、黒オリーブやアンチョビ、トマトから作ったスープに、鰹と昆布の出汁を合わせます。
そこに先ほどのハマグリの旨味が凝縮されたスープを合わせ、アクアパッツァ風味に仕上げています。
●魚料理
カナダ産のオマールエビを、半分にカットして、フライパンで火を入れます。
身には粉をふり、カリッとした食感を出します。
そのままオーブンに入れ、じっくり火入れを行います。
火が通ったオマールエビに、長ネギと生姜をオイルに漬け込んだ香味オイルで、香りをつけます。
エビの香りと香味オイルの香りがふあっと広がり、後半に差し掛かる料理を更に楽しんでもらえたらと思っています。
●肉料理
最高の霜降りともいわれる、肉質のいい山形牛のA5等級のサーロインを取り寄せています。
山形牛は牛独特な臭みが少なく、脂に甘みがあるのが特徴です。
そちらを、お客様の前にてテーブルを出し、皆様の前でしゃぶしゃぶにしてお出しします。
出汁は、肉質が柔らかく調理できる80度をキープし、優しく火を入れます。
沸騰したお湯で火を入れると、たんぱく質が固まり、旨味や水分が逃げて、せっかくの美味しいお肉が引き立たなくなるためです。
そこに、山形牛の旨味が溶け出した出汁と柚子ポン酢で味を整え、クレソンや実山椒と共にお召し上がっていただきます。
●お茶漬け
先ほどの旨味が溶け込んだ濃厚な出汁を用い、自家製の牛しぐれにと有馬山椒のピリッとしたした辛みが後をひく出汁茶漬けにしました。
出汁の旨味を感じ、日本人でよかったとしみじみ感じていただけるようにご用意をしております。
●デザート
そのまま食べても美味しい桃を、極力フレッシュ感が残るようにコンポートにして、桃の甘さ、美味しさを引き立つようにしました。
そこに、さわやかな香りのレモンバーベナのハーブと白ワインでジュレを作り、デザートに添えました。
品数が多いコースですので、最後のデザートはさっぱりとシンプルに美味しい物をテーマにしています。
季節によって、その時に美味しい旬のフルーツをご用意します。
以上、伊藤より料理の工程をご案内させていただきました。
この工程はyoutubeの動画でも視聴できます。
ぜひ、臨場感を感じていただけるこちらの動画をご覧ください。