あいさつの儀~いつの時代でも大切にしてほしいこと~

あいさつの儀~いつの時代でも大切にしてほしいこと~

皆様、こんにちは。
萬屋本店の早野智子と申します。

本日は萬屋本店の結婚式で行う『あいさつの儀』という時間をご紹介します。
※あいさつの儀についてはこちらのブログをご覧ください

私は日頃、式場探しをされているお客様たちのご相談窓口を担当しており、様々なお客様の結婚式に対する想いを伺います。その中でも多いのが、感謝を伝えたいというお気持ちです。

一昔前から結婚式の中で感謝を伝えることは当たり前のことであり、主流になっています。スピーチや花嫁の手紙などの時間を通じて、感謝の気持ちを伝えることはどこであってもきっと叶うでしょう。しかし、従来の型にはまった結婚式の形では、個人が思う「本当の感謝」が伝わることには限界があると感じることがあります。

そう感じたのは、ある新婦様の話を伺ったことがキッカケでした。

その新婦様は、結婚式をしようと決意したのは親に対して感謝を伝えたいからと話してくださいました。親への感謝を伝えたいというお気持ち自体、とっても素晴らしいことだと思い、是非伝えましょうと背中を押すと少し表情が曇り、先程まで沢山話をしてくださっていた新婦様が一瞬無口になり、目線も下向きになられ、言葉数が突然少なくなられました。

明らかに一変した空気に、これは何か抱えられていると感じ、新婦様に私から質問をしました。「是非、結婚式で感謝の気持ちを伝えてほしいと思いましたが、何か引っかかることがありますか?」暫く沈黙の時が流れた後に、話してくださった言葉に結婚式が持つ課題と可能性を感じました。

「実は母親が癌なんです。最近そのことが分かったんです。小さい頃から元気だった母が日に日に身体が弱くなっていくことを目の前にした時に、ちゃんと自分の言葉でありがとうを言いたくて…。

でも、大勢の人前で言うのは、母の身体のこともあって公表はしたくないんです。母も気を遣う人なので…。本当はちゃんと面と向かって伝えたい想いはあるんですが、さすがに言える場所もないと思うので、せめて結婚式で自分が一人前になった姿だけでも見てもらいたいと思います」

そう、一つ一つに心を込めて、私に伝えてくださいました。

その時に思ったことが感謝の伝え方は人それぞれだということ、そして心からの感謝を伝えられる日が結婚式の価値であるということ。その新婦様に『あいさつの儀』という時間を、これからご一緒に結婚式の日に創りませんかと話をしました。

「今、何を言うか決まってなくていいです。是非、準備期間を通して、一生分の感謝を人目を気にせず伝えてください」と伝えた時に、新婦様の目には熱い感情が溢れていました。

どんな時代でも変わらず伝えてほしいのは、人生でかけがえのない人への感謝の想いです。心から伝えたい気持ちを大事な人に思う存分伝えるお手伝いを、萬屋本店ではこれからも続けていきたいと思います。どんな想いでも私たちに聞かせていただき、沢山のお客様の人生を応援できたらと思います。

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